いよいよ葉が赤く染まり始めました。
ついに来ました、羽織の時期ですね。
私も思い切ってアンティークの素敵な羽織を買ったの!
着るのが楽しみなんだけど気になることがあって・・・
どうしたの?
試しに着てみたら、羽織の袖の振りが長くて、下に着る着物と丈が合わないんだよね・・・。
アンティーク着物あるあるですね!
そしたら今回は、羽織の袖のお悩み解決法をいくつかご紹介します!
羽織の袖について
羽織は着物の上に着るもの。
袖の理想的な形として、
①着物より裄が少し長くて袖口がすっぽり収まり飛び出ない。
②袖丈(振りの長さ)が着物と同じで綺麗に収まり、振りから飛び出ない。
③袖幅が着物と同じか少し長くてきれいに収まり、振りから飛び出てこない。
この3つが挙げられます。
要するに、裄、袖丈、袖幅のサイズが、下に着る着物に合わせて仕立てられていれば綺麗な形になるのです。
着物も羽織もオーダーメイドで仕立ててあればまず問題ありません。
着物も羽織もすべてプレタでも、同じサイズのものを購入していれば、まず問題ありません。(お店によって多少のサイズの差はあるでしょうが・・・)
ここで問題が出てくるのが、アンティークやリサイクル着物の時です。
昔はプレタという形で売られておらず、着物は1枚1枚オーダーメイドで作られていました。
なので、昔の着物は持ち主によってサイズがバラバラなのです。
今は袖丈は49㎝が一般的ですが、昔は生活や好みで自由にしていたようで、長い袖丈のものも多くあります。
長い振りもアンティークの魅力です
私が買ったアンティークの羽織も長いよ!
そのため、着物と羽織の裄、袖幅、袖丈が合わないということが起こります。
それによっていろいろな問題が起こってくるのです。
アンティークやリサイクル着物でぶち当たる、羽織の袖の問題
実際、どんな問題が出てくるのかな
図に描いてみました。
あるあるなのはコチラ!
私が着てみた時と同じ状況だ・・・
アンティーク好きの宿命みたいなもんです。
1個1個見ていきましょう。
裄が短くて着物の袖口が出ちゃう
本来羽織の裄は着物より少し長めにして袖口を覆うのですが、裄が着物より短いと袖口が出てしまいます。
昔の着物はサイズが小さいことが多いので、裄が長いものは貴重です
袖幅が合わなくて振りから出ちゃう
裄は合ったとしても、袖幅が羽織の方が短いと、振りから下の着物が覗いてしまいます。
袖丈が合わなくて振りから出ちゃう
羽織の袖丈が短いとはみ出てしまい、長いと着物の袖が振りから飛び出してくることが。
ちょっとの違いならあんまり気になりませんが、羽織と着物の袖丈の差が大きいとけっこうはみ出てきます。
私は羽織の袖丈が長めの60 ㎝で、着物はプレタの49㎝だから、飛び出てきちゃうなぁ・・・
逆の羽織の袖の方が短い場合だと、中の着物の袖を綺麗に畳んで入れれば、割と大丈夫です。
解決方法
では具体的にどう解決してくか、私なりの工夫をお教えします。
下に合わせる着物を小さいものにする
下の着物のサイズ<羽織のサイズにすれば、大体の問題は解決しますので、羽織は着物より大きめなものを選びましょう。
で、でも、この羽織が着たいんだよ~!
では逆の発想で、下に着る着物を小さめにしちゃいましょ!
本来の自分のサイズよりも裄の短い着物を着てしまえば、多少裄の短い羽織を合わせても飛び出てきません。
贅沢に羽織に合わせた着物を用意しちゃうってことね!
アンティーク羽織が好きな方は、合わせやすくて裄が短めの着物が一枚あるとかなり便利だと思います!
でもでも、今持ってる着物と羽織を合わせたい~!
次からは着物>羽織になってしまうときの対処法を紹介しますよ~
浅めに着る
これも裄が足りない時の対処法です
浅めに着るって・・・どういうこと?
羽織は左上図のように衿を前にもってきて着ますが、少し袖を引っ張って肩にひっかけるように着ます。
すると裄の尺を若干稼ぐことができるのです。
この時、羽織の両衿の間が広がって羽織紐が引っ張られるので、長さに余裕のある羽織紐を選んでくださいね。
袂を縫い留める
これは、袖幅や袖丈の違いで振りから袂が飛び出てくるときの対処法です。
羽織の振りの部分の一部を縫ってしまいます。
そうすることで下の着物の振りが飛び出てくることが防ぐことができます。
縫うひと手間はかかるけど、一回縫っちゃえばもう気にせずに済むのはいいね!
クリップなどで留める
さっきの縫い留める方法と考え方は同じで、針を通すのに抵抗があるときにおススメです。
羽織の振りの部分と、下の着物を合わせてクリップで留めてしまいます。
針を通さないので、優しいクリップを選べば羽織を傷める心配もありません。
縫い留めると、羽織を着るときに下の着物の袖を羽織の袖に仕舞う必要がありますが、クリップは普通に着た後に留めるだけで済みます。
袖を仕舞うときに引っ張っちゃって縫い留めた糸が切れちゃう・・・なんて事故もあるので、クリップの方が羽織へのダメージリスクは低いと思います。
可愛いデザインのクリップを使ってコーディネイトを組むのも可愛いかもね!
この時使うクリップを作ってみました。作成過程の記事はコチラ↓
気にしない
多少袖口が見えようが、振りが飛び出してこようが、気にしないで着ちゃう!
これも一つの手です。
もちろんかしこまった場ではそぐいませんが、普段着として着る分には気にしないで着るのもいいと思います。
TPOってことね。
まとめ
袖口が出る | 振りから袖が飛び出す |
---|---|
浅めに着る | 振りを縫い留める 振りをクリップで留める 着物の袖が長い時は綺麗に畳んで仕舞う |
おわり
以上、羽織の袖問題とその解決法でした。
リサイクルやアンティークの着物は、安価で素敵なデザインなものが多いですが、サイズ問題がどうしても付きまといます。
うまく工夫して着物をたくさん楽しんでください!
アンティーク着物と長襦袢の袖問題